不妊治療クリニックの選び方のポイント5選!

みなさま、こんにちは!
アメリカ看護師のケイです。
不妊治療を始めようと決めたはいいものの、どこのクリニックに行けばいいのかわからない。そして、何を基準に選んだらいいのかもわからない。医療業界にいる私でも、不妊治療のことはわからないことだらけでした。
わからない中で選んだクリニック。
2つ目のクリニックで、ようやく自分に合ったドクターに出会うことができました。
この記事では、アメリカで不妊治療クリニック(Fertility Clinic)を選ぶときに注目すべきポイントと、実際に私が体験して学んだことをまとめています。
これから治療を始める方が、少しでも迷いを減らして自分に合うクリニックに出会えるための助けになればと思います。
なぜクリニック選びが大事なの?
不妊治療は『通う回数が多い・治療方針の違いが大きい』からです!
自分に合うドクターや治療方針に相違ないクリニックに出会えるかで、結果だけじゃなく心の負担まで変わります。
アメリカでは、すべての不妊治療クリニック(ART施設)の、妊娠・出産の成績をCDCやSARTに報告がされていて、クリニックごとの成功率を見ることができます。
”有名な名前の病院”ではなく、客観データを参考にできるような環境になっています。
ただ、データがすべてではないと思うので、参考程度に見ることをお勧めします。
一般的に、妊娠しづらいのか評価するまでに35歳未満は12か月、35歳以上は6か月の間トライしても妊娠しなければ、検査などをすることがすすめられています。クリニック選びに時間をかけすぎてしまうのは損なので、候補を絞ったら初回面談で自分に合っているか確かめましょう。
- データでなんとなくのクリニック候補を出す
- わかりやすい説明・クリニックの雰囲気などはデータで探せない
- 迷ったら、2か所以上で話を聞いてOK
クリニック選びで大事なポイント5選!
1- 成功率をざっくり確認する
まずは数字で候補を2~3か所絞ります。
先ほどもお伝えした通り、アメリカではCDCとSARTがクリニックごとの成績(出産まで至った割合:Live Birthなど)を公開しているので全体像をつかめます。
数字は年齢や治療法で大きく変わるので、自分の条件に近い層と何年間かのデータを見てみましょう。
私の年齢や予定治療で3年平均だと、だいたいどのくらい結果がでていますか?
(Based on my age and the treatment plan I am scheduled for, what are the average outcomes over a three-year period?)
2ー ドクターの説明と相性
ドクターの方針の明確さ、質問しやすいかどうかはとても重要です!
不妊治療クリニックは通院回数が多く、決め事も多い。不安や疑問をその場でなくせる関係が、結果だけでなく心の負担を大きく下げます。
初診での説明は一貫しているか、ドクターの話す速度や理解できる言葉で言い換えてくれるのか。英語が第一言語ではない日本人にとって、簡単な言葉を選んでくれたり、言いたいことを汲み取ってくれるようなドクターはとても心強いです。
また、連絡手段も確認しましょう。ポータルサイト上でメッセージのやり取りができるクリニックも増えていますので、簡単にコミュニケーションをとれるかどうかも大事です。
検査結果はいつ・どのような方法で届きますか?
(Could you tell me when I can expect my test results and how they will be sent to me?)
3ー費用を確認する
不妊治療は、決して安いものではありません。だからこそ、最初に費用を確認しておくことは重要です。
料金は必ず合計額で比べましょう。基本の金額以外に、薬代や追加検査・処置まで含めた総額を聞けることが望ましいです。
たとえば、IVF(体外受精)は基本料金が1回あたり$13,000~$16,000が目安。ここに薬代$3,000~$5,000(人により増減)が上乗せされ、総額ではさらに膨らむことがあります。(保険適用や実施項目で大きく変わる)
お金の話は切り出しづらいかもしれませんが、遠慮はしないでください。予算が見えれば、比較対象になりますし、心も少し楽になるかもしれません。
IUIやIVFの薬や検査代を含めた費用の総額を教えてください。
(Could you tell me the overall cost for IUI and IVF, including medication and tests?)
4ー通いやすさとサポート体制
現実的に通える動線上にあるクリニックを選択しましょう。
治療が開始すると、想像以上の回数で通院します。採血や超音波の結果次第で、次回の予約がいつになるか決まります。朝採血をして、午後の結果連絡で「明後日にまた来てください」なんてことは当たり前です。
治療を開始するということは、仕事や生活の負担が激変するということです。
通院が可能か見極めるために、平日朝の採血・超音波検査の開始時刻や最終受付、週末の対応などを確認し、自分の生活に落とし込めるか判断できるようにしましょう。
朝の検査は何時から始まりますか?また、質問があるときや週末はどのように確認することができますか?
(What time do the morning tests start? Also, how can I reach out if I have questions or need something on weekends?)
5-自分の直感を信じる
迷ったら、自分の体と心のサインを優先しましょう!
条件が同じクリニックでも、人によって安心できる空気感は違います。治療は、短い期間で終わるかどうかわかりません。合う・合わないは成果にも通院を続けることにも影響してきます。
こちらの価値観を尊重して治療方法を提示してくれたり、仕事の時間帯や予算を踏まえて計画してくれたり。そして、クリニックの帰り道になんだかホッとしている自分がいたり。データももちろん大事ですが、自分の感じたものを信じることもクリニックを選ぶうえで大事な判断材料の1つです。
- 話が毎回ぶれたり、質問すると圧を感じる
- 高額な追加検査を根拠薄めで勧めてくる
- 帰り道でモヤモヤしている
アメリカならではのチェックポイント!
どのクリニックに通えるかは、①保険のプラン ②会社のベネフィット で決まってくる場合もあります。
- In-network指定がある保険がほとんどです。自分の保険プランで通えるクリニックを選出しましょう。
- 事前承認(Prior Authorization)が必要か確認しましょう。
- 上限のルール(サイクル数・生涯or年上限額)を確認しましょう。
- 薬局の指定があるかどうか、指定外でも保険が使えるか確認しましょう。
- どんなものがあるかHRに確認しましょう。
Carrot | 会社が出す補助金制度。対象費用の範囲と上限額が決まっている。 |
Progyny | 1サイクルで必要な検査・処置・薬がパッケージ化されている。 |
Maven | 会社のプランによって、費用補助が出る場合もある。 |
保険とベネフィットから通える範囲を固めてみてください。
私の経験
最初のクリニックは、右も左もわからないまま保険適用内(In-Network)で、名前が知られていて料金も比較的安いという理由だけで選びました。
ところが、初回面談から先生の印象にモヤモヤ。面談費用も安くないのでもったいない思い、そのまま通院を決めてしまいました。
検査中もほとんど会話はなく、質問しても忙しいという態度を前面にだしながら早口での解答…
「ここでは信頼関係を築けないし、だれも私のことを気にかけてくれない」と強く感じ、次第に心理的負担が増えて通院自体がつらくなり、一旦妊活も諦めてしまいました。
それから約1年経っても自然妊娠はしませんでした。改めて、不妊治療が必要だと判断し、不妊治療クリニック探しを始めました。
クリニックを探す際には、この記事で挙げた【大事なポイント5選】を意識して比較し、最終的に2か所のクリニックまで絞りました。
最後の決め手は、スタッフのレスポンスの早さと、ドクターの明るさ・親身さ。どんな質問にも的確に答えてくれるし、電話やメールでの問い合わせにもすぐ返答してくれます。
院内は清潔で、費用の説明も細かく透明。さらに職場から近く、出勤前に採血や検査を済ませられる動線も大きなプラスでした。
今は「このクリニックを選んでよかった」と心から感じています。
まとめ
クリニックを選び出すときの入り口はデータから入り、最後は自分の感覚を信じてみてください。
- 成功率をざっくり確認する
- ドクターの説明の的確さと相性をみる
- 費用を確認する
- 通いやすさやサポート体制を確認する
- 自分の直感を信じる
不安や迷いは、はじめての一歩にはつきものです。候補を整え、面談で確かめ、一晩おいて心が軽くなる方を選べば大丈夫です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
あなたに合うクリニックに、きっと出会えますように。