アメリカ看護師

アメリカ看護師資格の種類ーLPN・RN・NPの違いを現地ナースが解説

ケイ

こんにちは!
アメリカ看護師のケイです。

アメリカの看護師には、LPN・RN・NPといったいくつかの職種があります。
でも、それぞれどんな役割で仕事をしているか、最初はなかなかイメージしづらいですよね。
私も、正看護師がRNというなんて、知りませんでした。

日本では、正看護師と准看護師と分かれていますが、仕事内容はほぼほぼ同じです。
しかし、アメリカでは資格によって業務範囲や責任が大きく変わります。

私はクリニックでRNとして働きながら、NPと協力して毎日仕事をしています。
同じ看護師という言葉でも、ここまで違いがあるのかと驚かされます。

この記事では、LPN・RN・NPの違いをそれぞれわかりやすく整理し、必要な学位やキャリアの進み方を現場目線で解説します。

アメリカの看護職は大きく3つに分かれている

アメリカで看護師は、LPN/LVN・RN・NPと大きく3つのレベルに分かれます。

レベル資格名仕事内容のイメージ日本で近い職種
 ①   LPN/LVN (Licensed Vocational/Practical Nurse)基本的なケア・患者サポートを中心に行う准看護師に近い(ただし医療行為の範囲はもう少し広い)
 ②RN(Registered Nurse)患者の観察、処置、教育、医師の補助など現場の中心正看護師
 ③NP(Nurse Practitioner)診断・処方・治療計画を立てる上級看護師日本では特定行為看護師+医師の一部業務に近い

この3つは、必要な学位・責任範囲・給料・キャリアの広がりが大きく異なります。
では、それぞれの資格について詳しく説明していきます。

LPNとは?

LPN(Licensed Practical Nurse)とは、アメリカで看護の基礎的なケアを担う職種です。
州によってはLVN(Licensed Vocational Nurse)呼ばれることもありますが、基本的には同じ資格を指します。

LPNの仕事内容

LPNは医師やRN(正看護師)の指示の下で、患者のケアを中心に行います。
主な業務は、

  • バイタルサインの測定
  • 採血や注射などの基本的な処置
  • 傷のドレッシング交換
  • 検査のサンプル採取
  • カテーテルの挿入

などになります。
多くのLPNは老人ホーム・リハビリ施設・クリニックなどで働いていて、急性期病院より慢性期や在宅よりのケアに携わることが多いです。

LPNになるために必要なこと

LPNを目指すには、州認定のVocational Nursing Program(約1年の職業学校)を修了し、その後NCLEX-PN(LPN国家試験)に合格する必要があります。

プログラムの入学条件は比較的ハードルが低く、高校卒業+英語力(TOEFLなど)の証明が求められる程度です。

NYC(ニューヨークシティ)では、学校によってニューヨーク市民は無料で学校に通えることもあります。
友人が無料の学校に通っていたので、私も無料で通えるか複数の学校に問い合わせをしてみましたが、ニュージャージー在住なのでもちろん断られました。

働きながら通える学校もたくさんあるので、看護の世界に入ってみたい人の最初の資格としても人気です。

日本の准看護師との違い

LPNは、日本の准看護師に立ち位置が近いと言われていますが、いくつか違いもあります。

まず、日本の准看護師都道府県が発行する免許で、医師や正看護師の指示のもとに働きます。(実際はかなり自立していて、看護師と同等に働いていますよね)
アメリカのLPN州の看護委員会(Boardnof Nursing)が発行する国家資格レベルの資格で、教育課程も州ごとにしっかりと定められています。

また、LPNの方が医療行為の範囲が広いです。
州によって差はありますが、注射や点滴管理、簡単な薬の投薬などもLPNの業務に含まれる場合があります。
ルール上では、日本の準看護師と比べると、より独立して判断する場面が多いように見えますが、実際の現場を見ると、日本の准看護師はLPN以上に幅広い業務をこなしていると感じます…、というかしてますよね!
私が病棟で務めていた時も、ベテラン准看護師の方にいつも助けてもらい、多くのことを学ばせていただきました。

キャリアの進み方は似ていて、日本では準看護師から正看護師になるために、看護師学校養成所の2年課程に進み、課程を修了した後、看護師国家試験を受けます。
アメリカでもLPNとして働きながら、コミュニティカレッジに通い、RN課程(ADNプログラム)に編入して、ステップアップする人もたくさんいます。
この方法だと、NCLEX-RNの資格試験を受けられるまでに約3年ほどかかります。

結局のところ、アメリカのLPNも日本の準看護師も、担っている役割には大きな共通点があります。

RNとは?

RN(Registerd Nurse)は、アメリカの医療現場で最も一般的かつ、中心的な存在の看護師です。
患者のケアだけでなく、医師との協働・患者教育・チームマネジメントなど、幅広い責任を担います。

RNの仕事内容

RNの仕事は、単に医師の指示を受けて動くだけではありません。
患者の状態を観察・判断し、必要に応じて報告・提案をするなど、自律的な判断が求められます。

具体的な業務は

  • バイタルサインのチェックと異常の早期発見
  • 点滴・採血・薬の投与管理
  • 傷の処置やドレッシングの交換
  • 検査や手技の補助
  • 患者・家族への教育や精神的サポート
  • チーム内での情報共有と記録管理

などです。
勤務先は、病院・クリニック・学校・介護施設・訪問看護など、多岐にわたります。
RNはどの医療チームでも中心的な存在であり、患者ケアの質を左右する重要な役割を持っていると、私は思います。

RNになるために必要な学位と試験

RNになるには、州認定の看護過程を修了し、NCLEX-RN(国家試験)に合格する必要があります。

看護過程には大きく2つのルートがあります。

1,ADN(Associate Degree in Nursing):コミュニティカレッジなどで学ぶ2年課程2,BSN(Bachelor of Science in Nursing):大学の4年課程

どちらも卒業後にRNとして働けますが、近年はBSN卒を優先採用する病院も増えていて、キャリアアップを見据えてBSNを選ぶ人も多いです。

現場で私が感じるRNの役割

私はクリニックで働いています。
RNとして、患者と医師の橋渡し役として動きます。

医師が診察する前に、RNが問診を行い、必要な検査や処置を予測して準備します。
医師に内容を確認したうえで検査を進め、診察後は患者さんの理解度を確認しながらフォローします。

また、クリニックには「子供が頭をぶつけてしまった」「高熱が出ているけど、どうすればいい?」などの、電話もよくかかってきます。
そんな時、RNが直接患者さんの電話に対応し様子や状況を伺い、その後どうしたらよいのか判断しアドバイスをしたりします。

クリニックには、生後3日の新生児~お年寄りまで幅広い年齢層の方が来院します。
電話でのトリアージ対応は、年齢によっても大きく異なるので、日々勉強しながら的確なアドバイスを出せるよう、仕事に励んでいます。

RNから次のステップ

RNとして経験を積むと、次のキャリアとしてNP(Nurse Practitioner)を目指す道も開かれます。

また、教育・リサーチ・マネジメントの分野へ進む人も多く、看護師としてのキャリアの幅が非常に広いのがアメリカの特徴です。

NPとは?

NP(Nurse Practitioner)は、アメリカの看護職の中で最も高度な資格を持つ上級看護師です。
医師と同じように診断や処方ができる資格を持ち、患者を一人で診察できる州もあります。

NPの仕事内容

NPの仕事は、一般的な看護業務を超え、医師に近い臨床判断を行うことが求められます。
例えば、

  • 症状の評価・診断
  • 検査や治療のオーダー
  • 薬の処方
  • 健康管理や慢性疾患のフォローアップ
  • 患者教育とカウンセリング

などの業務があります。
勤務先は、クリニック・病院・大学・地域保健センターなど様々です。
特にPrimary Care(プライマリケア)分野では、NPが医師の代わりに地域医療の中心として活躍している州もあります。

NPになるために必要な学位と資格

NPを目指すには、まずRNの資格を取得したうえで、看護大学院(Master’sまたはDoctoral)で専門課程を修了する必要があります。

学位を取った後に、各専門分野(Family NP, Adult-Gerontology NP, Pediatric NPなど)の認定試験を受け、合格するとNPとして登録されます。

取得までの一般的な流れは、

1,RNとして実務経験を積む(多くの人は2~3年ほど)
2,NPプログラム(大学院)に進学(2~3年)
3,終了後、認定試験に合格してNPとして登録

RN取得後、すぐにNPプログラムをスタートする人ももちろんいます。
ただ、多くの人はRNとして働いた後、キャリアアップとして目指す道なのかなという印象があります。

NPの責任と自律性

NPは、医師の監督下で働く州(NYは監督下)もありますが、独立開業を認める州も増えています。
この場合、NP自身が診察室を持ち、診断・処方・検査オーダーを全て行うことができます。

けれど、それだけに求められる判断力・倫理観・知識のレベルは非常に高いです。
医師とは違うアプローチで患者を診る視点、そして看護師としてのより患者さんに寄り添った目線を両立できるのが、NPの強みでもあります。

現場から見たNPの存在

私が働くクリニックでも、NPの先生と仕事をしていますが、”先生”と呼んでいるくらい医師と同じように頼りになる存在です。

患者の診察・治療方針の決定・薬の処方まで一貫して行い、RNの私たちはその判断を支え、検査やフォローアップを担当します。

医師よりも患者と向き合う時間が長く、生活の中でどう症状をコントロールするかという看護の視点を大切にしているのが、NPらしいところだと思います。

RNとNPはどちらも医療現場には欠かせない存在ですが、NPは医療の意思決定を担うポジションとして、より大きな裁量と責任を持っています。

キャリアパスの進み方

LPN・RN・NPはそれぞれ独立した資格ですが、経験を積みながら上位資格へステップアップしていく人は少なくありません。

LPNからRNへ

社会人になると、多くの人はまずLPNとして医療現場に入り、経験を積みながらRNを目指します。
RN課程(ADNプログラム)に編入できる「LPN-to-RNブリッジプログラム」という制度があり、通常は2~3年のRN課程を1年~1年半ほどで終了できる場合もあります。

この方法だと、働きながら学べるため、課程や生活を大きく変えずにキャリアアップを目指す人に人気です。

私が以前勤めていて職場でも、ADNプログラムでRNを目指している人がいました。
実習が始まるまでは、働く時間は十分にあったけど、実習が始まってからは週に1~2回ほどの出勤が精いっぱいとは言っていました。

RNからNPへ

RNとして数年経験を積んだあと、看護大学院に進学してNPを目指す人が多いです。
NPになるためには、臨床経験と専門性の両方が求められるため、現場での判断力を磨いたRNがステップアップするのが、自然な流れです。

RNからNPへの進学は決して簡単ではありませんが、学びなおすほどに看護の奥深さを感じる人も多く、やりがいのある道だと耳にします。

現場目線で見たキャリアの選び方

どの資格を選ぶかは、今の自分の英語力・生活環境・目的で変わります。
留学生や移住したばかりの人なら、まずLPNから入るのも現実的かと思います。

ある程度の英語力があるなら、最初からRN課程に挑戦するのもありです。

私がNYに来てすぐに出会った友達の中の1人は、仕事もしなくてはいけないから、まずはLPNの資格を取り、病院などで勤務しながらいずれRNの資格を取りたいと話していました。

私自身も、最近ではNPの道も視野に入れようか考え出している自分がいます。
ただ、私の場合は日本の看護専門学校卒業なので、まずは大学卒業(BSN取得)資格を得てから、大学院に進まなければいけません。

子供を望んでいる今、今後の生活や状況をはっきり見通し立てられないのがもどかしいですが、その時の自分に合ったキャリアアップを目指していければと考えています。

まとめ

アメリカの看護師資格には、LPN・RN・NPといったいくつかの段階があります。
どの資格にもそれぞれの役割があり、どの段階にいても医療を支える大切な仕事であることに変わりはありません。

LPNとして患者さんのケアに寄り添う人、RNとして現場の中心で判断する人、そしてNPとして診断や治療の決定に携わる人、どの道を選んでも、看護の根本的な考えは人を支えたいという想いです。

アメリカでは、一度資格を取ったら終わりではなく、何歳からでも新しいステップに進める柔軟なシステムがあり、何歳になっても挑戦する人が多いです。
だからこそ、焦らず、今の自分の状況に合った形で進めばいいと思います。

私も、RNとして働く中でもっと学びたいと感じることが増えました。
これからの人生の中で、タイミングが合えばまた新しい挑戦をしたいと思っています。

自分のペースでキャリアを築いていくこと、それがアメリカの看護の魅力だと感じています。

これからどの道に進むか悩んでいる方へ、参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ABOUT ME
ケイ
ケイ
看護師(アメリカ・日本)
看護師歴8年目で、うみのむこう「アメリカ」へ移住。現在はニューヨークのマンハッタンにあるクリニックで看護師として日々奮闘中! アメリカ看護師試験、妊活、国際結婚のリアルを、体験談を交えて情報をお届けします!
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